人の本性はみなほとんど同じである。違いが生じるのはそれぞれの習慣によってである。(孔子)
こんにちはりゅうたろうです。
今回は、脳と心を休ませる究極の技術である『マインドフルネス』について、ご紹介をさせていただきます。
『マインドフルネス』というワードは多くの方がご存知なのではないでしょうか?
最近では多くの書籍も発売していますし、昔から存在している「坐禅や瞑想」と呼ばれるものなんかもこの中に含まれます。また、スティーブ・ジョブズを初め多くの著名人や有名企業などでも取り入れられているほどです。

「なんとなく健康に良さそうなものという認識はあるけど、具体的にどんなことをして、どんな効果が見込まれるのかはよく分からない」
という方に向けて下記のように記事を作成させていただきました。
・そもそもどんな人に必要なのか
・脳の仕組みはどのようになっているのか
・マインドフルネスにはどのような効果があるのか
・具体的な手法は
前置き編(どのような人に必要なのか?)
脳は思ったよりも疲労している

「いつも疲れている」「眠っていてもなんとなく身体がだるい」「集中力が続かない」など慢性的な疲労感のようなものを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような時は、身体が疲労しているのではなく“脳が疲労”しているのかもしれません。
「休息を取るとこ=身体を休めること」だと思っている方も多く、たくさん寝たり、温泉やサウナに行行って身体を温めたり、家で漫画や本を読んだり安静にと身体を休める方もいるかと思います。
そうやって身体を休めること自体も大切ではありますが、それだけでは「回復のできない疲れ」も存在します。
それが「脳の疲れ」なのです。
脳には脳の休め方があり、どれだけ身体を休めたとしても、知らぬまに脳の疲労を溜めていってしまっていることもあります。慢性的な脳疲労を抱えると、生活のパフォーマンス(質)が低下し、ひどい時には、“心の病”にまで至るリスクも潜んでいます。
身体の疲労と同様に、脳の疲労も溜まる。
そしてそれは、単に身体を休めるだけでは回復するようなものでもない。
慢性的な脳の疲労は生活の質を大きく下げる可能性がある。
今回ご紹介する「マインドフルネス」は、脳の単なる休息だけでなく、“脳は変わる”という数々の研究結果に基づいて作られた「疲れづらい脳」を作り上げる方法なのです!
「デフォルトモードネットワーク(DMN)」とは

まずは、脳の働きを知る上でとても大事な活動である「デフォルトモードネットワーク(DMN)」についてご紹介させていただきます。
「デフォルトモードネットワーク(以後DMN)」とは、内側前頭前野、後帯状皮質、楔前部、下頭頂小葉などから構成される“脳のネットワーク”で、脳が意識的な活動をしていないときに働くベースライン活動とも呼ばれます。(自動車のアイドリングをイメージがわかりやすいでしょうか)
脳は、約こぶし2個分体重の2%ほどの大きさにかかわらず、身体の消費するエネルギーの20%を使うと言われている「大食漢」です。その脳の活動の中でも、このDMNは脳の消費エネルギーのうち60〜80%を占めているとも言われています。
どんなにぼーっとしているときでも、頭の中ではいろいろな雑念が浮かんでは消えを繰り返しています。DMNは「心がさまよっているときに働く回路」であり、人間の脳は1日の半分以上をこの心さまようことに費やしているとも言われます。
「一日中ぼーっとしていたのに、あんまり疲れが取れなかった」なんてことは、このDMNが過剰に働いてしまっていたからなのかもしれませんね。
デフォルトモードネットワーク(DMN)とは心がさまよっているときに働く回路。
ぼーっとしていても疲れが取れないのはDMNが働きすぎているから。
雑念こそが脳疲労最大の要因

脳を休めたければDMNを使いすぎないようにしなければいけません。
DMNは無意識に浮かんでくる、過去や未来に対する「雑念」のようなものです。
「雑念」こそが脳疲労の最大要因で、「雑念」を抑えることで脳を休ませるというのが、マインドフルネスの基本メカニズムとなります。
後ほどご紹介させていただくマインドフルネスを習熟すれば、いま現在に集中することができ、DMNの活動を抑えることができるようにもなります。
こうしてマインドフルネスは、雑念が脳のエネルギーを無駄遣いするのを防いでくれるというわけです。

うつ病の人たちは「あのとき、ああしておけばよかった」というはネガティブ思考の反復、いわゆる反芻思考がよく見られるそうです。これもまたDMNの使いすぎとの関連性が指摘されています。くよくよ悩む人ほど脳のエネルギーを多く消費しているからとも言えますね。
雑念を抑えることが脳を休ませることに繋がる。
マインドフルネスは今に集中する技術で、雑念を抑えることができる。
脳疲労は「過去と未来」から来る

脳のすべての疲れやストレスは、過去や未来から生まれてきます。
すでに終わったことを気に病んでいたり、これから起きることを不安に思っていたり、とにかく心がいまここにいない状態。この状態が慢性化することで心が疲弊していくことになります。
先ほどもお伝えした、うつ病の人に見られる、くよくよと過去のことを考えてしまう反芻思考がDMNに過剰反応をしてしまうというも同じで、心の乱れは過去に縛られることから始まります。
過去や未来からくるストレスから解放されることこそがマインドフルネスの目的でもあり、しっかりと脳を休息させたかったら、まずはいまここにいる状態を体得しなければなりません。
ここから先の実践は、このことを体得するためにあるということなのです。
マインドフルな脳の状態というのは、いわば子供や動物の心に近いと言えるかもしれません。小さな子供は、いま目の前のことがすべて新鮮で、何かをしている最中に別のことをくよくよ考えたりはしていません。マインドフルネスとは、“あたかも初めて触れるかのように世界を捉え直し、いまここを保ち続けいている子供の心を取り戻すこと”でもあるのです。
脳の疲れは、過去の後悔や未来の不安から生まれることが多い。
いまここにいる状態を体得しなくては、過去や未来から離れることはできない。
いまを楽しむことのできる子供のような心を取り戻すことが目的。
マインドフルネスに期待される効果

マインドフルネスは脳の「働き具合」だけでなく「つくり」も変えてしまいます。
つまり、一時的な脳の疲れをとる対処療法ではなく、「疲れに対する予防」にもなるということです。
ある研究では、ストレスホルモンである“コルチゾール”が出にくい状態が観察され、マインドフルネスによってストレスに強い脳を作れる可能性が高いということが証明されました。
その他にも期待されそうな効果としては、
集中力の向上:一つのことに意識を向け続けることができるようになる
感情調整力の向上:怒りや悲しみなどの刺激に対して感情的な反応をしなくなる
自己認識への変化:自己へのとらわれの減少、自己コントロール力の向上
免疫機能の改善:ウイルス感染などに対する耐性、風邪を引きづらくなる
などが挙げられており、慢性的な疲労の回復・予防だけでなく、身体機能の向上、さらに精神力(メンタル)や心の柔軟性の向上など、“長閑な暮らし、人生を豊かに、長く平和に生きる”ためにもとても重要な要素となりそうです!
実践編(何をしたらいいのか?)
さて、ここからは実践編です!
今回は、一番基本となるものと、誰でも簡単かつ気軽に始めることのできるものの2つをご紹介させていただきました。
マインドフルネスは、2,3日で効果をフルに享受できるものではございません。
習慣として取り入れることで効果を発揮し、脳の「つくり」を変えていきましょう。なんといっても、脳は習慣が大好きです。まずは、1日3分からでも構いませんので同じ時間、同じ場所で少しずつ取り入れていきましょう。
マインドフルネス呼吸法

ひとつ目は、マインドフルネスの基本となる「呼吸法」についてです。
呼吸に注意を向けることで、過去や未来とは切り離された「いま」を取り戻すための作業のひとつになります。習得できれば、心がざわついた時、不安で押しつぶされそうな時などに「いま」現在の自分に立ち返ることができるようになります。
・椅子に楽に腰をかけ、背筋は軽く伸ばし、背もたれから離す
・その時のコツは「背中はシャッキリ、お腹はゆったり」
・手は太ももの上におき、足は組まないようにして、足の裏を地面にぺたりとつける
・目は閉じても開けても良い(開ける時は2メートルほど先をぼんやりと見つめる)
・足の裏が床に触れている感覚
・手がふとともに触れている感覚
・お尻が椅子に触れている感覚
・身体全体が重力に引っ張られる感覚は感じるか?
・空気が鼻を通る感覚はあるか?
・胸に空気が入るにつれて、胸が膨らむ感覚は?
・お腹が持ち上がる感覚は?
大事なのは「何もしようとしないこと。ただここにあることを自分に許すこと」です。
そして、これは深呼吸とは違いますので、「呼吸」を意識的にコントロールしようとする必要はありません。呼吸は自然に起きるようにすればよく、とにかく「呼吸」自体に細かく注意を向けるようにしましょう。
呼吸と呼吸の間に短い切れ目があること。
一回一回の呼吸の深さが違うこと。
吸う息と吐く息の温度の違いは。
などと細かなことに好奇心を持ってみましょう。
また、取り組んでいる最中に、他の考えが浮かんでくるのは自然のことです。
浮かんできたらまずはそれに気づくこと。そしてまた「呼吸」に注意を戻しましょう。
優しくゆっくりと。少しずつ集中できる時間が増えていくことでしょう。
ランチタイムにできる食事瞑想

次に、ひとりでも複数人でも簡単に取り入れることができる「食事中の瞑想」についてご紹介します。
食事をする際に、あたかも初めて食べるもののようによく観察をして、食べることにすべての感覚を集中をさせることにより、「いま」このときの感覚を研ぎ澄ますことができるようになります。
・食材は何が使われているのか?
・表面の質感や温度感はどうか?
・どのような香りがするか?
・手に持った感触やナイフを入れた感覚は?
・唾液が出る感覚はあるか?
・口に運ぶ際の腕や首などの筋肉の動きは?
・口内に触れる感覚は?
・噛みちぎる時の食感は?
・噛みちぎったあとのそのかけらは、どのように口の中を動いているか?
・さらに唾液が出る感覚はあるか?
・当然、そのものの味わいはどうか?
・鼻を抜けていく香りはあるか?
・飲み込んで喉を通る感覚は?
・胃のなかに落ちていく感覚はあるか?
とにかくすべてのことに「いま」ここを意識させてみましょう。
なんだか食事が大変になりそうと思う人もいるかもしれませんが、それよりも得られるものが圧倒的に多いのです。
普段の食事では、携帯を見ながら食べたり、時間をかけないために急いで食べたり、なかなか味わって食べること自体少ないのではないでしょうか。(普段行けないような、いいところのお店に行った時などは違うかもしれませんが)
今まで気がつかなかった深い味わいを感じたり、味の変化に気づきがあるなど、食事そのものの楽しさを思い出させてくれるかもしれません。
そもそも食事はゆっくりとよく噛んで食べたほうが各方面から良いとされていますし、脳も鍛えられ、食事も楽しく、健康にも良いとなると、一石三鳥以上にはなりそうですね!
終わりに
マインドフルネスは心のストレッチ

人間の身体は決まった方向ばかりに関節を動かし続けたら、その方向に固まっていきます。そんな時に、いつもと違う方向に少しだけ関節を曲げて身体をほぐし、疲れづらく怪我しづらい身体を作るのがストレッチです。
人間の脳も放っておくと、現在以外のことばかりに意識が向かっていってしまいます。ここであえて現在(いま)のほうに意識するストレッチしてあげることで、疲れづらく折れにくい心を作っていくのです。
終わりに
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
本当に、この世の中は、さまざまな情報にあふれ、気になること、考えなければいけないことなども多く、不安で落ち着かないものです。よくわかります。
そんなときは、基本に立ち返り、とにかくシンプルに「いま」やるべきことに集中し、ひとつづつ解決することが近道です!複数のことを同時に考えながらやるように人間の脳はできていません。
脳が焼き切れてしまう前に、呼吸を思い出し「いま」ここに自分がいるという感覚を取り戻してから物事に取り組んでいきましょう。今回の内容が、皆様のお力になれば幸いです。
この世の中は、皆さん非常に忙しくしている印象です。 漠然と心や身体、そして魂までもを削られていくのではなく、『日々メンテナンスをしながら自分が本当に進みたい方向に向かっていっていること』が良い人生なのではないかと私は考えます。 その中で目標に向かって努力をしてもいいし、しなくてもいいし、とにかく自分の心の声をきちんと聞いて、穏やかに日々を過ごすことができればいいなと願います。
私自身もまだまだこれからですが、上段の願いを皆さまと共に叶えられるように、良いものの情報発信を取り組んでまいりますので、ぜひブックマークやSNSのフォローを頂けますと幸いです。
皆様の暮らしが長閑になることを願って。 りゅうたろう


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