【睡眠の質向上】体内時計を整える一日の過ごし方

健康

すてきな朝を迎えるためには、夜あったことを忘れ去らなくてはならない。タラン・シンハ(作家)
こんにちはりゅうたろうです。

早速ですが、皆さまは「十分な睡眠」をきちんと取れていますか?

「十分な睡眠」と呼べる時間は人それぞれかもしれませんが、心身に不調なく、活動的かつ自分の能力をフルに働かせながら暮らすためには、それぞれに合った「十分な睡眠」をとることは必須と考えられています。

今回は、「十分な睡眠」とは何なのか?睡眠の質を上げるには何が大事なのか?といったところをまとめてお伝えさせていただいておりますので、心身の健康の基盤となる、理想的な睡眠を手にいれ、一緒に“長閑な暮らし”を手に入れていきましょう!

この記事でわかること

十分な睡眠とは?

朝目覚めたとき、「なんだか頭もすっきり!よく眠れたな!」という日や、「疲れが取れず、寝足りないな、、」と様々な日があると思います。

「十分な睡眠」については、明確な基準はなく人それぞれですが、被験者の病気への罹患りかん状況と睡眠時間との関係を調査した研究では、成人では7〜9時間の睡眠をとる場合に有病率が最も低いことが突き止められています。

(これは、あくまで集団単位のものなので、個人レベルでは当然それぞれに違いがあり、6時間またはそれ以下の睡眠で、健康上の問題を抱えることもなく、満足する人がいらっしゃるのも事実です)

ショートスリーパーと呼ばれているような方々は、単に睡眠の質」がきわめて高い、恵まれたような人が多く、夜中に目が覚めるようなことはほとんどなく、きわめて「良質な深い睡眠」を取れているため、平均より短い睡眠時間でも問題がないのだと言われています。

このことからわかるように「十分な睡眠」=「適切な時間(量)」×「質」ということが言えます。(皆さんもよくお分かりのことかと思いますが、、)

それぞれが必要な「睡眠時間」を知る簡単なテストはこちらの記事の最後に記載しておりますので、こちらを参考にいただき、今回は「睡眠の質」の向上についてポイントとなる部分をお伝えさせていただきますのでお付き合いくださいませ!

ポイント

私ちの中の体内時計とは?

近年の科学界で、注目を集めたテーマの中に、私たちの「体内時計」というものがあります。
2017年には、この仕組みを解明した3人の研究者が、ノーベル生理学・医学賞を受賞していたりもしており、私たちが、いつ起き、いつ眠るかを制御する「体内時計」がどのように時を刻んでいるのかを突き止めたのです!

魔法のようにも聞こえますが、内容は至ってシンプルで、
“進化の過程で私たちの体は、体内リズムを自然界の昼夜変化のリズム”に適応させてきました。食料を手にいれ、外敵から身を守るには、外が明るくて暖かい日中のうちに活動する方が有利だったのです”

この“昼夜のリズム”によって私たちの「体内時計」は調整されているのです。

そうしてこの「体内時計」により、私たちは外が暗く寒い夜は眠り、日中は起きているようにと身体全体にあらかじめプログラミングがされているというのです。

夜の間よく眠れず、睡眠負債を抱えた状態で1日をスタートさせた人でさえ、日中は爽快な気分になるのも、「体内時計」が私たちの体に「今は目を覚ましている時間だよ!」と告げているからということなのです。

ポイント

太陽の光とマスタークロック

太陽の光は、“睡眠・覚醒のリズム”にとって重要なポイントとなります。

外が明るくなり、覚醒の時間が始まったこと、または暗くなり、それが就寝の時間を意味することを私たちの体が認識できるように、人の目は、特に朝と夕方太陽の光に敏感に反応するようになっています。

朝、網膜の神経細胞が太陽の光をキャッチすると、脳内の視交叉上核しこうさじょうかくへと信号が送られます。

視交叉上核しこうさじょうかくは別名「マスタークロック」とも呼ばれ、人間の体に存在する多くの体内時計のうち唯一、の信号を受け取り、中継することができる部位になります。

この「マスタークロック」は、ほかの体内時計に対して「さあ、1日の始まりだ、体が効率的に動くよう、夜間の休息を終えた代謝、肝臓、腎臓、そのほかの器官が再び正常に機能するように調整してくれ!」とメッセージを送る役割を担っていたり、覚醒状態を制御する脳の領域にも信号を送り「目を覚ませ!注意を怠るなよ!」と要求をします。

この「マスタークロック」の働きにより、徹夜をして大きな睡眠負債を蓄えていても、次の日、心身が完全に使い物にならない状態に陥らずに済んでいるのです。(良くも悪くも)

「マスタークロック」は他にも離れ業をやってのけており。
メラトニン、コルチゾール、アドレナリンといったホルモンの分泌を促し、夜には体の温度を下げ、朝になると体温を上げる指示を出すなどをしており、

まるで、全身に指示を出す、オーケストラの指揮者のようですね。

ポイント

睡眠の質を上げるポイント

さて、ここからは上記の、体内時計やマスタークロックの仕組みを踏まえた上で、睡眠の質を上げるポイントを5つをお伝えさせていただきます。

①日中にできるだけ太陽の光を浴びる

体は眠るため、そして脳と体を回復させるために暗い環境を必要とします。

現代の問題は、日没後に暗闇静寂が訪れないことにあります。(暗さ静けさは、就寝の時間であることを体に知らせる信号だというのにも関わらず、、)

夜もランプに照らされて、遅くまでコンピューターやスマホの画面の前に座る今日の環境において、体が就寝時間を認識するのは、簡単でなくなってきています。

1日中室内にこもり、太陽の光」をまったく浴びなかったなら、なおさら「光」のバランスが崩れ、体が混乱し、昼なのか夜なのかわからなくなってしまいます。

すると、体は睡眠ホルモンであるメラトニンをためらいがちに生成するようになります。

それに対し、日中屋外にいた人の体では、疲労を制御する「体内時計」が「そろそろ眠気を感じ、ベットに入る時間だ!」という信号を受け取り、そして、普段の就寝時間の約2〜3時間前になるとメラトニンが分泌されるのです。

タイミングよく眠りにつき、安定した睡眠・覚醒リズムを形成したいなら、日中はできるだけ外で過ごした方がいいと言えます。それもできれば目の網膜が「光」にとくに敏感な朝のうちに。

まとめ

どの程度光を浴びたらいいのか

心身ともに良いスタートを切るには、他のどの光よりも太陽の光」が適しています。

晴れている日なら、屋外に「30分」もいれば十分で、曇天だと太陽光線が弱いため、同量の光を浴びるには「約1時間」外で過ごす必要があると言われています。

海辺など終日野外で過ごした後に心地よい疲労感を覚えることもあると思いますが、それはたくさん体を動かしたということのみならず、たっぷり浴びた太陽の光」の効果でもあるのです。

日中、外出する機会の少ない人は、窓のそばに座るようにしたり、ランチを公園などの屋外でとったりするなどの工夫をしてみてください。

(+α)「昼光色ちゅうこうしょく」照明

もし太陽の光を浴びることが普段難しいのであれば、「昼光色ちゅうこうしょくランプ」を設置して問題を改善することができます。

そのようなランプを病院の集中治療室に導入したところ、患者さんが30分以上長く眠れるようになったという報告もされているようです。

お部屋の一部を「昼光色ランプ」にしてみたり、オフィスに取り入れたりなどの検討をされてみてはいかがでしょうか。

②寝室の温度は上げ過ぎない

夜、いつもの就寝時刻が近くなると「マスタークロック」は体に「体温を下げる時間が来たぞ!」と伝令を出します。

「体温の低下」は、体のすべての細胞にある体内時計に、夜が始まって眠りの準備を開始する時間が来たことを知らせる合図となります。

体は睡眠中にエネルギーを節約して、すべての器官に休息と回復の機会を与えるために、短時間、ある種の冬眠状態に入るのです、

胃腸は、日中ほど多くの食べ物を消化する必要がないので休息を取ることができ、
心臓は、負荷がかかることもなければ大量の酸素を送り出す必要もないため、淡々と仕事をこなすことができます。

ところが、脳内はかなり状況が異なり、夜の間も、日中とほとんど変わらない量のエレルギーを必要とし(深い睡眠中は例外で、脳のエネルギー消費量が約10%減少する)、睡眠中は食事を取ることができない、つまりエネルギーを蓄えることができないので、体のほかの部分ではエネルギーを節約しなければならないというわけなのです。

そして、それは「体温を下げる」ことで可能になるのです。

ということから、自然な睡眠・覚醒のリズムを正しく保つために、就寝前の室内温度を上げすぎないように注意しましょう。寝室の温度は涼しめに保つこと、夏はクーラーをつけ、冬は暖房をきつくし過ぎないようにすることが大切です。

まとめ

③酸素がたくさんあった方が眠れる

冬の暖房シーズンなんかでは、暖房効率を考え、つけっぱなしでいることも多いかもしれないですが、夜の間に、十分な酸素量を確保しておくことも睡眠の質を高める上で大事なポイントになります。

複数の研究で、人は窓を開けたままの方がよく寝れるという結果が出ているほどです。

こまめに換気をすることはもちろん、寝室のドアを閉じずにおくだけでも、空気の循環が著しく改善することがわかっていますので、今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。

④食事は7〜19時の間に済ませる

加工食品や外食よりも自分で調理した料理の方が健康的であること、野菜を多めに摂取することが体に良いことは、ほとんどの人が理解をしていると思いますが、「食事のタイミング」も私たちの体に大きな影響を与えます。

規則正しい時間に食事を取ることが、「体内時計」のリズムを整え、いつ眠り、いつ覚醒すべきなのかを体に知らせる上で役立っていることが研究で照明されています。

西洋には「朝は皇帝のように、昼は王子のように、夜は貧者のように食べよ」という昔からの訓話があるようですが、あながち間違ってはいないようです。

朝、目を覚ますと、まず体内の腹時計が騒ぎ出します。それは、体が完全に目を覚まし、生産的であるためには、エネルギー貯蔵庫が再び満たされなくてはならないからです。

また、遅い時間に重めの食事をたくさん取ると、翌日に備えて休息を取ろうとしていた腸は夜勤シフトで働くことを余儀なくされ、当然ながら睡眠の質は低下することになります。

7時から19時の間に、規則正しく食事をとる人は、気が向いたときに食べる人よりも、よく眠れるということが立証されています。

⑤運動との関係

運動は心臓と筋肉を鍛えるだけではなく、様々な病気を予防し、睡眠・覚醒リズムも安定させることから、質の良い睡眠をもたらしてくれます。

また、運動についても、私たちの体のリズムに適したタイミングで行うのがポイントになります。

睡眠・覚醒リズムの最適化の観点からいうと、午前中に運動をすると良いと言われています。光をたっぷり浴びることができ、それによって、夜、適切な時間に睡眠圧(眠気、眠りへの欲求)を高められるからです。

また、7〜8時の間、もしくは15〜17時の間に持久系のスポーツをすると、光の有無に関係なく、体内時計が朝型へ調整されることを示す新たな研究もあります。

逆に19〜22時の間に、ランニングをすると、体内時計が後にズレてしまうというのです。

運動中、体内では、ストレスホルモンであるアドレナリンやコルチゾール、さらにドーパミンが分泌されます。これらのホルモンは私たちを覚醒に導き、集中力を高める一方、入眠を妨げまる作用があります。

さらに運動をすると体温が上昇することから、前段でもあった体温と眠りの関係からも、発汗が促されるような運動は、遅くとも就寝3〜4時間前には終わらせることがおすすめとなります。

終わりに

最後までありがとうございました。

今回は、睡眠の質を高めるポイントを主にお伝えさせていただきましたが、共通して大事なことはおそらく「タイミング」ではないでしょうか。

陽の光を浴びるタイミング、運動するタイミング、食事のタイミングなど、人類の進化の過程において理にかなったタイミングがあります。

また、この記事を読んでいただいてお分かりになったかもしれませんが、睡眠の質を上げるポイントは、就寝の前後だけではありません、朝昼の過ごし方から、その日の睡眠の質が変わる、いわば24時間の努力の結果なのです。

ぜひ、日々の生活を見直し、良質な睡眠を手にいれ、健康で活力のある毎日をお過ごしください。

この世の中は、皆さん非常に忙しくしている印象です。 漠然と心や身体、そして魂までもを削られていくのではなく、『日々メンテナンスをしながら自分が本当に進みたい方向に向かっていっていること』が良い人生なのではないかと私は考えます。 その中で目標に向かって努力をしてもいいし、しなくてもいいし、とにかく自分の心の声をきちんと聞いて、穏やかに日々を過ごすことができればいいなと願います。

私自身もまだまだこれからですが、上段の願いを皆さまと共に叶えられるように、良いものの情報発信を取り組んでまいりますので、ぜひブックマークやSNSのフォローを頂けますと幸いです。

皆様の暮らしが長閑になることを願って。りゅうたろう

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