身体の主たる機能は、脳を持ち運ぶこと。(トーマス・エジソン)
こんにちはりゅうたろうです。
今回は、「睡眠」に続きまして、“きっと大事なのは分かっているんだけど、実際にどんな影響があるのかシリーズ”として「運動が心身にもたらす最強の効果」を4つお話をさせていただきました。
「エネルギーを消費する、体力がつく、楽しい」という当たり前な部分は触れずに、科学的にも研究結果が出ている、心と身体に与える良い影響をピックアップしております。
みなさまの運動を始めるきっかけや、今行っている運動へのモチベーションアップへと繋がれば幸いです。
消費だけが目的では割に合わない

まず初めに、食べたものを消費することだけを目的に体を動かすのであれば、「運動」は割に合わないということをお伝えさせてください。
理由は2つあり、ひとつは消費される量は大したものではないということ、もうひとつは運動によるカロリー消費には限界があるということです。
例えば、体重50kgの人が6メッツ(中程度)の運動強度で30分間運動した際のエネルギー消費量は、約150kcalです。これは、白米のご飯100gあたり168kcal(子供用茶碗くらい)の消費にも満たない量です。
それでも、たくさん運動をすれば、多くカロリーを消費できるではないかと思われるかもしれませんが、最近の研究では、人間の体には、エネルギー消費量にも限界があるとも言われています。
では、なぜ最近ではこんなにも「運動」が大事と言われているのか?
そこには「体の機能」と「精神的なもの」の両方があり、要点を押さえたものとして4つご紹介しておりますので、お楽しみくださいませ。
(それぞれのより詳しい内容は別記事にもまとめておりますので、興味のある点については、そちらも併せて確認いただけると理解を深められるかもしれません)
運動が心身に与える影響4選
①ストレスを取り払うことができる

仕事に勉強、過去の後悔や、将来の不安、時間に追われる日々など、現代社会には多くの「ストレス」に溢れています。
大切な何かを失ってしまうなど、特別大きな「ストレス」により突発的に病んでしまうこともあるかもしれないですが、日々の「ストレス」も何ヶ月、何年と続いたら、身体は蝕まれ、精神も飲み込まれてしまいます。
そんな「ストレス」による疾患の治療・予防には、今回のテーマである「運動」が目覚ましい効果をもたらすと、研究によって立証がされているのです!
「ストレス」とはなんなのか?

私たちの身体は、脳が何らかの脅威を感じると「コルチゾール」というストレスホルモンを放出します。血中の「コルチドール」が増加することにより、動悸や腹痛などをはじめとする“身体反応”が現れます。
(「コルチドール」の血中濃度が上がると、脳も身体も厳戒態勢に入ります。自分の命を守るため、闘争あるいは逃走の準備が整うと、筋肉がたくさんの血液を必要とするため、動悸が激しくなるというわけです。)
そして、脳は意識を集中させるようになり、わずかな変化にも敏感になり、視線や音、匂いなどにも反応をするようになります。
「ストレス」は神経を研ぎ澄ませ、集中力を高めるという役割もあり、普通に考えれば好ましい反応ですが、その反応が過剰になると、思考が混乱し、自制心は失われ、押し潰される苦しみにとらわれてしまうなどと、人体に悪影響を及ぼす場合があるということなのです。
運動で「コルチゾール」をコントロール

「ストレス」にうまく対処するために、「コルチゾールが脳におよぼす影響」を減らすことが最も有効なことに間違いはありません。
ここでいよいよ「運動」の出番というわけです!
ランニングやサイクリングなどの「運動」をすると、それを続けている間は「コルチゾール」の分泌量が増えます。なぜなら、肉体に負荷がかかる活動は一種の「ストレス」だからです。
しかし、運動が終われば、身体はもう「ストレス」を感じないので、「コルチゾール」の分泌量は減り、さらにランニングを始める前のレベルまで下がっていきます。
そして、ランニングの習慣をつけると、走っているときの「コルチゾール」の分泌量は次第に増えにくくなり、走り終えたときに下がる量は逆に増えていくのです。
ここからが面白いところで、「運動」を続けていると、運動以外のことが原因のストレスを抱えているときでも、「コルチゾール」の分泌量はわずかしか上がらなくなっていくのです。
「運動」により、「ストレス」に対する反応が鍛えれ、「ストレス」に過剰に反応しないような身体を、言い換えると“ストレスに対する抵抗力”を高めることができるのです!
②集中力を高めることができる

スマホやパソコンから大量の情報が流れ込んでくる現代社会の中で、情報の波にのまれずに「集中力」を維持することはとても難しいものです。
しかし、このわずか数年の間に、効果的に「運動」をすれば「集中力」や「注意力」が改善され、そのときに脳内でどのようなことが起こっているかまでも分かってきているそうです。
早速見て参りましょう!
集中力を高める「報酬系」

美味しいものを食べたり、友人と交流したり、仕事で褒められたりした時に快感を与えてくれるところが脳内の「報酬系」と呼ばれる部分です。
「報酬」と関係のある脳の部位はいくつかありますが、通常は「側坐核」が報酬中枢といわれ、この部分から「報酬」を貰うと、人は心地よい気分になります。
脳には、細胞から細胞へ情報を伝えるための物質(専門用語で「神経伝達物質」)があり、よく知られているのが「ドーパミン」です。
美味しいものを食べたり、社会と交流したり、運動や性行為などをすると、「側坐核」で「ドーパミン」の分泌量が増えます。
「ドーパミン」がたくさん放出されるとポジティブな気分になり、その行動を繰り返したくなります。
なぜそういう気分になるかというと、食事や人との交流、運動、性行為は、“人間の進化の見地”において、そういった行動が生存確率をあげ、遺伝子を次の世代へと手渡すことになるからだと言われています。(運動=狩猟、住処を探す)
「ドーパミン」が雑音を消す

さて突然ですが、みなさんはこんな経験はありませんか?
あなたがカフェに行って本を読みに来たとしましょう。
席についた初めは周りの話し声などで、ざわざわしているなと感じています。
だけどもそのざわめきは少しずつ遠のいていき、気がついた時には今読んでいる本に集中ができていた。
私なんかもよく喫茶店やカフェで作業をすることがあるのでよく経験していますが、実は、ざわめきは聞こえなくなっていても、脳はあいかわらずその音が入ってきているのです。
もし店内で誰かが自分の名前を呼ぼうものなら、自発的に聞いていなかったとしてもその声に反応します。自覚していなくても、脳の一部ではきちんと聞いていたのです。
これは脳の驚くべき力で、私たちが気がつかないうちに、おびただしい数の情報を処理し、重要だとみなしたものだけを知らせて注意を促しているのです。
脳内の雑音のボリュームを下げ、目の前のことに集中するためには「ドーパミン」が必要です。
「ドーパミン」は単に、「報酬の脳内物質」であるだけでなく、「集中力」を保つためには絶対に欠かせない物として非常に重要な役割を果たします。
「ドーパミン」が不足すると、周囲の音に気を取られ、目の前のことに集中できなくなり、苛立ってきます。心が乱れ、神経質になり、上の空になってしまうのです。
「ドーパミン」が増える条件

本題に戻ってきましたが、「運動」により「集中力」が改善するといわれてる大きな理由はおそらく、「運動」によって「ドーパミン」の分泌量が増えることにより、注意力と報酬系のシステムがうまく調整されるためでしょう。
「運動」をした直後に「ドーパミン」の分泌量が増えること研究によって分かっています。
「運動」を終えた数分後に分泌量が上がり、数時間はその状態が続きます。
そのため運動後には感覚が研ぎ澄まされ、集中力が高まり、心が穏やかになるのです。
③モチベーション向上とうつ病予防になる
誰でも、ときには気持ちがふさぐこともあるでしょう。
しかし、何週間もふさぎ込み、将来のことを思って悲観的になり、普段なら楽しめることも楽しめなくなってしまったのなら「うつ病」の可能性が高いと言えます。
うつ病についての詳しい内容はこちらもご参考ください
近年、数多くの研究をまとめて導き出された結論によれば、「運動によってうつ病を予防できる」ということが科学的にはっきりと立証されています。
これらの論文によれば、「うつ病」の治療において最も効果がある運動はランニングで、ウォーキングには「うつ病」を防ぐ効果があることも明らかになっています。
毎日20〜30分ほど歩くことで、うつ病を予防できて気持ちが晴れやかになるのです!
うつ病とは「神経伝達物質」の欠乏
セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンは「神経伝達物質」と呼ばれる脳内の物質で、それぞれが私たちの感情に影響を及ぼしています。
セロトニン:興奮した細胞を鎮めて脳全体の活動を抑制し、悩みや不安を和らげる。心を落ち着かせ、冷静な判断や強い精神力をも促す。
ノルアドレナリン:やる気や注意深さ、集中力を促す。足りないと疲労を覚えたり気持ちが滅入ったりする。
ドーパミン:意欲や活力を促す作用がある。前述の集中力や意思決定能力にも関わる。
うつ病は、この3つの「神経伝達物質」が欠乏することと密接に関わっていると考えられ、抗うつ剤による薬物療法の多くは、これらを増やすというものが多いのも事実です。
お察しのいい方はすでに気がついているかと思いますが、この3つとも「運動」によってその量を増やすことができるのです。
効果は運動を終えた時に感じられ、その状態は1時間から数時間続き、定期的に運動をすれば、分泌される量も徐々に増えていき、そして、効果も運動後の数時間にとどまらず、丸一日続くようになります。
④記憶力を向上させることができる

運動以上に記憶力を高められるものはないと言われています。
人間の記憶を司る、記憶中枢に「海馬」と呼ばれている部分があります、ちょうど親指ほどの大きさで、タツノオトシゴに似た形をしています。
実は、脳全体や「海馬」は年齢を重ねるにつれて小さくなっており、「海馬」は1年で約1%ずつ小さくなるという研究結果もあったりします。
しかし、ある研究では、持久力系のトレーニングを1年行った被験者はたちの「海馬」が、全く縮んでいなかったこと、それどころか成長して2%ほど大きくなっていたことなどが判明し、「運動」が記憶の定着に効果があるということが提唱されているのです。
運動と暗記を同時に行う

もし、暗記力を最大限に上げたいのであれば、「運動」と「暗記」を同時に行うことがおすすめです。
「運動」と「暗記」を同時にすれば効果が上がる理由は、まだはっきりとわかっていないそうですが、おそらく身体を動かすと筋肉の血流量が増え、そして脳にたくさんの血流が流れ込むことで記憶力も上がるという仕組みだろうと言われています。
テストのために単語を暗記をする場合、運動しながら(あるいはしてから)暗記をすると、何もせずに暗記をした人よりも、覚えられた単語が20%増えたというデータもあります!
暗記力が下がる運動

疲労を覚えるほどの運動をすると、かえって逆効果になってしまうため、暗記に限っていえば、ウォーキングや軽いジョギングが最も効果が期待できます。
疲れると筋肉がさらに血液を必要とするため、脳に流れる血液量が減り、記憶する力が損なわれてしまうためです。
また、激しく身体を動かすと、脳は覚えようとすることではなく、動作そのものに集中してしまいます。(望まない方面に集中力が発揮されてしまう)
覚える内容を聞きながら速いペースで走ると、脳は聞いている内容ではなくて、走るという動作に集中してしまうのです。
終わりに
最後までありがとうございました。
いかがでしたでしょうか、何となく健康のため、ダイエットのために運動が大事だということの理解はあったかもしれませんが、
精神的、肉体的にも、ご自身の持つ本来の力を引き出すために「運動」が大事なんだということを知ることができたのではないでしょうか?
適度な運動は、気分をリフレッシュさせることができ、その後のパフォーマンスにも良い結果をもたらします。慣れないうちは疲れてしまうこともあるかもしれませんが、段々と体力はついていくものです、無理をせず、自分のペースで少しづつ運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。
この世の中は、皆さん非常に忙しくしている印象です。 漠然と心や身体、そして魂までもを削られていくのではなく、『日々メンテナンスをしながら自分が本当に進みたい方向に向かっていっていること』が良い人生なのではないかと私は考えます。 その中で目標に向かって努力をしてもいいし、しなくてもいいし、とにかく自分の心の声をきちんと聞いて、穏やかに日々を過ごすことができればいいなと願います。
私自身もまだまだこれからですが、上段の願いを皆さまと共に叶えられるように、良いものの情報発信を取り組んでまいりますので、ぜひブックマークやSNSのフォローを頂けますと幸いです。
皆様の暮らしが長閑になることを願って。りゅうたろう



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