追いかけ続ける勇気さえあれば、夢は必ず叶います(ウォルト・ディズニー)
皆さまこんにちはりゅうたろうです。
早速ですが、学校のテスト、資格の取得、仕事に必要な知識習得など、学生だけでなく大人になってからも(むしろ大人になってからの方が幅広く多い)、知識の習得はいつでもついて回ってくるものです。
勉強をすることは時間さえ充分にあればその時は乗り越えることができるかもしれませんが、一生使える自分の知識として習得(記憶の定着)するためには、脳の作りやそれを生かした方法を理解をすることが近道となります!
今回のテーマは「効率的かつ迅速に学びたいのであれば、逆に眠ったほうが良い」です。
「睡眠」は、心身の回復だけでなく「記憶の形成」にも大きな効果を発揮するものです!
記憶の定着のメカニズムから、記憶の定着を最大限発揮するための幾つかのポイントをまとめさせていただきましので、お楽しみいただけたらうれしいです。
・脳では記憶をどのように定着させているのか?
・記憶を残すためのポイントは何か?
脳に休息を与えることが大事

さて、みなさまの脳は、日中の覚醒時にフル回転しています。
支度している時も、移動中も、学校や職場、料理や家事をしている時も、
友達と話している時も、スポーツをしている時も、子供と遊んでいる時も、
あらゆる活動をしている時に、脳は全力を出すことを求められています。
・目に入る情報を処理したり、
・体をコントロールして動かしたり、
・相手の話す言葉を注意して理解に努めたり、
・次に起こす行動を判断したり、
・過去や未来のことを考えたりしている。
ボーッとしている時でさえDMN(デフォルトモードネットワーク=脳のアイドリング状態)の働きにより、エネルギーを消費し続けています。
そうした、日中に収集したありとあらゆる情報について、
脳内では新たなシナプス(神経細胞の接合)が生み出されています。
そんなことを目まぐるしくやっていると、1日が終わる頃には脳は完全に疲れ切っており、翌日のために必要なパワーを蓄えるために、夜は休息を取る必要があるのです。
DMNについてはこちらの記事に記載をしておりますので、気になる方はぜひ!
たくさん寝て「長期記憶」に保存する

みなさまの中には(私もその一人ですが)、こんな経験をしたことはありませんか?
試験直前や前日に、夜遅くまで起きて勉強を詰め込み、その時は満足感を得られ、数時間だけ眠った。翌日、目をこすりながら学校に行き、いざ試験に望むと昨日やったことはほとんど覚えてない。こんなはずじゃないと頭が真っ白になったことなどが、、、
脳の働きを考えた上でも、次の日に試験があるからといって、深夜遅くまで詰め込み勉強をするのは、とても賢明とは言えません。
脳が一時的な情報で溢れかえってしまい、おまけに睡眠が短いために、情報をふるいにかけ、価値あるものだけを長期記憶に保存する機会が与えられないのです。
その結果、試験中、脳内は混乱を極め、脳内から正しい情報が格納された記憶の引き出しを見つけ出すのが非常に難しくなります。
ベストな方法は、試験の数日前から少しずつ繰り返し勉強すること、そして学んだことを保存し、不要な情報を整理するために学習後に深い睡眠をたっぷりと取ることです。
そうすることで、長期記憶が構築されて、試験で好成績を収める可能性が高まるかもしれません。
サラッとポイントを紹介しましたが、
脳には、“不要な情報を処分し、必要な情報を保存する”機能が備わっているのです。
そこをどのようにして活かしていくかが今回の肝となってきます!
シナプスのダウンスケーリング
脳は夜の間に、次の日に必要となる空き容量を十分に確保するため、新たに形成された神経細胞の接合(シナプス)の大部分を除去していきます。
脳内のこの清掃プロセスが「シナプスのダウンスケーリング」と呼ばれています。
何日も繰り返し練習した英単語など、別の感情やシナプスと結合をしているような、脳が重要とみなす接合だけが削除されずに残ります。
重要とみなされ、生き残ったつながりを、脳は記憶に深く固定してきます。
その一方で、トレーニングのあとにを置いたワイヤレスイヤホンの場所や、友達がおもしろといっていた映画のタイトルなど、生存のために重要とはいえない大半の情報は再び消されることとなります。
そうして脳の容量を確保していくのです。
何度もやったことを脳は優先して覚える
雑音は消すことができる

科学誌「サイエンス」に発表された最新の知見によれば、海馬(脳の記憶を司る中枢)が発する脳波が、新たに形成された記憶の構築に貢献する神経細胞のまわりに存在する無関係な記憶痕跡を締め出していることが明らかになっています。
例えるなら、オーケストラでの楽器ごとでの練習中のイメージでしょうか。
ピアニストは同じ箇所を何度も何度も練習をし始めます。
その後、バイオリンや、トランペットなども次々と練習を始めます。(本来は部屋が別なんだろうが)
そのような空間にいたら、前後左右から異なるメロディが入れ乱れ、単なる不協和音としか感じれなくなるでしょう。こんな状態では記憶の定着が難しい。
しかし、海馬が発する脳波は、指揮者のような機能を果たし、「ピアニストが練習する間、ほかの音楽家たちがピアノの音をかき消さないように」と指示を送ります。
その効果は絶大で、ようやくピアニストの発する音がはっきり聞こえるようになります。
これと同じことが、脳での記憶の固定に際しても起こっているのです。
記憶の取捨選択の基準はどこにある
では、脳による新しい記憶内容の取捨選択の基準はどこにあるのだろうか?
ここで決めてとなるのは、「学習の強度」つまり学習内容がどのくらいの頻度で繰り返されたかです。
「英単語を何度も読み返すと、単語の学習に関連する脳の領域が夜の間とりわけ深い睡眠を示し、これらの英単語の定着が優先されるようになります」
それに対し、前夜に一度目を通しただけの単語については強い記憶痕跡は形成されず、そのような情報を、脳が睡眠中に何度も反芻された情報と同じように扱うことはないのです。(周りの楽器の音のように)
前の日の夜に靴下をどこに脱ぎ捨てたかについて繰り返し考えるような状況は、まずないでしょう。このため脳は、この記憶の痕跡を無視するのです。
感情は記憶を強固にする

上記の靴下のような記憶はまずもって強度(反復)が足りないし、生存のためにも重要ではないと言えます。
単語テストで好成績を収める方が重要ではないでしょうか?
成績が優れていれば、進学先の選択肢も広がるし、より多くの収入にも繋がると一般的には考えるからです。それは、生存にも困らないということを意味します。
ということを脳は無意識下に理解をしていますし、
強くこの認識を持っていればいるほど、脳は重要なものと理解をします。
生存についながる目標を(資格をとる、いい学校に受かる、→何がどうなって生存能力が上がるのか)そんなところまで認識をもつことで記憶定着の脳機能も活用できるのではないでしょうか。
(本気で人生を賭けて勉強をしている人と、ついでにやっているようなものでは記憶の純度が違うはずです)
これに加えて研究者たちは、脳が感情をともなう記憶を優先させることも突き止めています。
愛する人と初めて一緒に夕飯を食べた時。
綺麗な紺色のワンピース、料理の香り、恥ずかしそうな笑顔、交わされた視線、、、全てが鮮明です。
そのような記憶はたくさんの感情(ドキドキ、ワクワク、不安、喜びなど)と結びついているので、脳にいつまでも保存がされています。
強い感情と結びついた経験は、感情をそれほど伴わない瞬間よりも脳裏に刻まれやすいのです!
ここぞといった暗記部分については、心が刺激されるような場所(息を飲むくらい大きな国立の図書館や、美しい公園、海や川など)にいって行ってみるというのはいかがでしょうか。
「あの感動した場所で覚えたものは確か、、、」と感情と記憶を一緒に思い出せるかもしれません!
将来に有益かどうかで脳は判断する

新たに習得した知識が「将来に有益かどうか」という点も、睡眠中に遂行される記憶の固定化に重要な役割を果たします。
大学生を2グループに分けて、それぞれ同じ記憶テストを受けてもらった。
テスト終了後、一方のグループにはテストのために覚えた内容が「翌日のテストでも必要になる」と説明した。もう一方のグループには、「翌日のテストには、今日覚えたことは無関係だと」伝えた。
一晩睡眠をとった後で、最初と同じテストを受けてもらったところ、覚えた内容が「翌日も必要になる」と言われたグループの方が、もう一方のグループを上回ったのです。
この結果は、「将来特に役立つだろうと思われる記憶の内容」が、睡眠時に優先的に保存されるとこと示唆しています。
何かの知識を習得したいのであれば、ただ本や教科書を読むのではなく、実際に理解をしたか試すテストを翌日に行うようにすることで、脳は記憶の定着の優先順位を上げてくれます。
同じような話で、精神科医の樺沢紫苑著書「学びを結果に変えるアウトプット大全」においては、勉強効率を最も高めるインプットとアウトプットの割合は3:7くらいが最も学習効果が高いと記述もされています。
目安としては、インプットの2倍アウトプットに要すると良いと言えますね。
また、「報酬の有無」も記憶の強化を左右します。
「この記憶は大切である」ということが脳に伝わるからです。
先ほどのテストと同様。
片方のグループには、「これまでで最高のテスト結果だった、人類の発展に非常に有益な研究ができた!」と社会的承認を与え、片方には単に実験参加への感謝のみ述べた。
その結果、社会的承認を受けた参加者は、翌日及び1ヶ月後の記憶テストでもより優れた成績を収めているのです。
これは、記憶の取捨選択において、「社会的に重要な事項」が優先されることを示しています。
その理由はどこにあるのか。
進化の観点に立てば、社会的に高い評価を受けることは“集団の一員”となるため、すなわち生き残る上で重要だったからと考えられます。
社会的承認は、短期記憶において神経細胞間の接合を強めます。また、社会的承認を受けるタイミングが就寝時間に近いほど翌日に記憶が残りやすいことも分かっています。
香りと紐付けて記憶を定着させる

みなさまは、こんな経験をしたことはありませんか?
街中を散歩しながら、あれこれと思いをめぐらせていると、見知らぬ誰かとすれ違い、知っている気がする香りに包まれる。
柑橘系の香水だ。なんだか懐かし香りだな…
不意に何年も前へと時が逆戻りして、同じ香りをまとっていた小学生の頃の先生を思い出した。
「どんな先生だったっけ、そうだ、クラス全員にクッキーをプレゼントしてくれたことがあったな。いつも優しくて、何かうまくいかないことがあったり、体調が悪かったりするといつも気づいてくれた。あの頃に戻ることができたら楽しいだろうな」と。
突然、長く忘れていた記憶が蘇り、大昔の記憶が溢れかえってくるようなことが。
「香り」には過去の記憶を呼び起こす力があります。
それどころか、睡眠中に「香り」を知覚すると、記憶の定着の促進にも効果があるというのだ。
科学誌「サイエンス」にこのテーマに関する実験結果が発表されている。
実験では20代〜30代の被験者が記憶力を試すカードゲームで遊ぶ間、バラの香りを室内に漂わせていました。
その夜、半分の被験者にだけ、深い睡眠の間に同じバラの香りを嗅がせました。
その結果は驚くべきもので、翌日再び記憶力を試すカードゲームに挑戦してもらったところ、睡眠中にバラの香りの刺激を受けたグループは、前日に覚えたカードの位置を、もう一方のグループよりも明らかに多く記憶していたのです。
「香り」と「記憶」を紐つけて脳に定着をさせる特性があるのであれば、勉強中に香りを嗅ぎ、就寝時にも同じ香りを漂わせておけば、同様の効果を得られるのではないでしょうか?
睡眠の質を高めるためには(項目のみ)
さて、いかがでしたでしょうか。
記憶を定着させるには、睡眠が大事ということがお分かりいただけたかと思います。
当然、質の良い睡眠が前提となっていますが、睡眠の質を高める方法も多くありますので、今回は、項目だけ挙げさせていただいておりますので、下記の関連記事や、これから発信させていただくものをご参考にいただけると幸いです。
・ストレスを減らす
・スマホの光を断つ(現在思考バイアスから抜ける)
・寝室は寝るためだけの部屋にする
・体内時計を整える(起床就寝時間、食事の時間などを一定にする)
・日中太陽の光を多く浴びる
・日中の活動を多く行う(運動や、家事、日常生活からの運動を意識する)
・食事は就寝2〜3時間前には済ませておく
・室温を上げすぎない(睡眠導入時の体温の低下を妨げないため)
・酸素を取り込んでおく
終わりに
最後までありがとうございました。
今回は、健康維持向上以外の、睡眠のポイントである「記憶の定着」についてお伝えをさせていただきました。
とにかくがむしゃらにやらなければならないシーンも人生の中ではあるかもしれませんが、基本的に物事には効率の良い方法があると私は考えます。
努力×工夫=結果です。
工夫ばかりに走って努力の総量が落ちることは本末転倒ですが、自分の努力を最大限の結果に繋げるための工夫を知り、身につけていただくことをお勧めします。
自分に合った方法で、効率よく努力をしかつ目標を達成し、みなさまが明るい未来を手に入れることを心より願っております。
この世の中は、皆さん非常に忙しくしている印象です。 漠然と心や身体、そして魂までもを削られていくのではなく、『日々メンテナンスをしながら自分が本当に進みたい方向に向かっていっていること』が良い人生なのではないかと私は考えます。 その中で目標に向かって努力をしてもいいし、しなくてもいいし、とにかく自分の心の声をきちんと聞いて、穏やかに日々を過ごすことができればいいなと願います。
私自身もまだまだこれからですが、上段の願いを皆さまと共に叶えられるように、良いものの情報発信を取り組んでまいりますので、ぜひブックマークやSNSのフォローを頂けますと幸いです。
皆様の暮らしが長閑になることを願って。りゅうたろう



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