自分で自分の事をどう思うか。それは他人からどう思われるかよりも遥かに重要である(セネカ)
皆さまこんにちはりゅうたろうです!
日々の疲れの蓄積から、「イライラする、やる気が出ない、集中できない、なんとなくだるい、物忘れが多い、昼間も眠い」などと身体的な疲れを感じている人も多いのではないでしょうか。
身体を動かしたことによる疲労とは違く“脳疲労”の蓄積によるものは、身体を休めるだけでは回復をすることは難しいこともあります。
そんな脳疲労感や緊張感をほぐす方法と、そもそもどのような脳の構造により起きているのかを知っていただき、よりマインドフルネスの効果を享受することができる、そんな記事となっております。
・マインドフルネスの基本の振り返り
・不安に対抗するための理想的な脳構造とは(扁桃腺と前頭葉の関係)
・緊張感をほぐすためのマインドフルネス(ブリージング・スペース)
マインドフルネスとは?

マインドフルネスについては、数回に渡って記事を書かせていただいており、基本編については下記の記事にもまとめておりますが、
そもそもマインドフルネスとは、一文に表すと「過去や未来に向いている意識を、いまこの瞬間に注目することにより、後悔や不安といったストレスから解放させること」とも言えます。
その、マインドフルネスには、3つの経験段階があり、
初期:「いまここに注意を向けることに躍起になる段階」
中期:「心がさまよったことに気づき、いまここに注意を向けなおせる段階」
最終段階:「努力せずとも常に心がいまここにある状態」
長期間にわたってマインドフルネスを行うことで「ストレスに強い心や身体」を手に入れられることはもちろん、後述する理想的な「脳構造」をも手に入れることができるのです。
↓マインドフルネスの基本についてはこちらをご参考いただけますと幸いです↓
ストレス反応に効果を発揮する

マインドフルネスは、「不安」のような「ストレス反応」に対して効果を発揮すると研究がなされており、3ヶ月以上にわたってマインドフルネスを実践する長期瞑想者では、「前頭葉」と「扁桃体」が上下関係ではなく“より対等でポジティブな関係”を作るとわかっています。

「前頭葉」が人間の“理性”なのだとしたら、「扁桃体」は自らの恐怖の対象から守るべく活動する“感情”ないし“本能”を司る部分でもあり、通常は「扁桃体」がストレスに過剰反応した時には、「前頭葉」がそれを抑えつける格好で鎮静化を図ろうとします。
ストレス刺激が強すぎて「扁桃体」が過剰に活動し、「前頭葉」がそれを抑え込めなくなると、交感神経に作用して(緊急事態という信号を発信)、身体症状(動悸や過呼吸などが一般的)を発生させ活動をストップさせようとしますし、緊急の身体症状とまではいかなくても「異常な発汗、めまい、頭痛」など自律神経の乱れによるような症状を誘発してしまうのです。
↓自律神経の乱れについてまとめたものはこちらをご参考にいただければと思います↓
上記のパニック発作のようなストレス反応には、不安を司る「扁桃体」が関係しているということが分かりいただけたかと思いますが、マインドフルネスにはこの不安を緩和するという効果があることが知られています。
メカニズムとしては、マインドフルネスが交感神経を鎮める作用はもちろんですが、脳画像研究の解析結果などからは、「前頭葉」と「扁桃体」の関係を改善する効果も認められており、
通常は「前頭葉」が「扁桃体」を上から抑制する形になるわけですが、長期的にマインドフルネスを行なっている人の脳を観察すると、両者が上下の関係ではなくて、“よりフラットにバランスを取り合っている”ということがわかったのです。
“理性”によってストレスを抑え込むのではなく、“理性”と“感情”がうまく調和する脳状態を作っていくというわけなのです。
ここで実践編(ブリージング・スペース)

ここで、ストレスでこわばった身体をゆるめる瞑想方法「ブリージング・スペース」をご紹介します。
まずは椅子に座り基本の瞑想を始める用意をしましょう。
姿勢のポイントは「背中はシャッキリ、お腹はゆったり」
しっかりと呼吸に意識をおき、過去未来から切り離された自分を見つけましょう。
呼吸はいまの自分を取り戻すための錨です。
大事なことは「何もしようとしないこと。ただここにあることを自分に許すこと」
ブリージング・スペースの方法は全部で3ステップです!
【ストレスを受けたときの自分の変化に気づく】
・何か嫌なことが起きたとき、頭に浮かんだとき、自分の心はどんな反応をしているのか、身体の感覚はどのように変化したか観察します。
・「じんわりと嫌な気持ちが押し寄せる」「お腹辺りからがギューとこわばる感覚が続いた」「息を止めたように胸が苦しくなる」「頭がズキズキする、重たい」などのように自身の感覚に注意を向けてみましょう。
・ストレスの原因を心の中でひとつの文にしてみると、より反応が分かりやすくなります。
「仕事が進まず焦っている」「ミスを強くしてきされてイラっとしている」「上から目線で悔しかった」などなど
【いつも通り呼吸に注意を向ける】
・空気が鼻を通る感覚はあるか?
・胸に空気が入るにつれて、胸が膨らむ感覚は?
・お腹が持ち上がる感覚は?
・呼吸の早さや深さは?
・吸う息と吐く息の温度の違いは?
→自身の呼吸自体に細かく注意をしていきましょう。
→呼吸をする度に1、2、3とラベリングをしてもよいでしょう。(10までいったら1へ戻る)

呼吸は「いまここ」に自分を呼び戻してくれる錨です。
過去の失敗や、将来への不安に向かっていた意識が、自分の呼吸に集まっていく。
それに伴って身体の緊張がじわじわとゆるんでいくのが感じることができるはずです。
【意識の向かう先を呼吸から身体全身に広げてみる】
・呼吸にむけていた意識を身体全身へ広げていきましょう。
・あたかも身体全身が呼吸をしているかのようにイメージすることがコツです。
・ステップ2において緊張を感じた部分があれば、そこに空気を吹き込むようにイメージしてみましょう。
・身体の緊張が呼吸につれて柔らかくなっていく感じ、ひらけていく感じを持てれば成功です!
ストレスで調子が狂ってしまったとき、狂いそうなとき、このブリージング・スペースを活用して緊張を緩めるようにしてみてください。
自分の変化にきちんと目を向けてあげることが何よりの第一歩となります。
「脳構造」が変われば「ストレスの捉え方」も変わる

マインドフルネスでは心の疲れを癒す方法というイメージが強いですが、冒頭でお伝えした通り、身体的な疲れ(脳疲労によるもの)に対しても非常に大きな効果を発揮します。
(イライラする、やる気が出ない、なんとなくだるい、物忘れが多い、昼間も眠い、いろんなところに身体をぶつけるなどはまさしく疲労が溜まっているサインです)
「疲労」についての科学的なデータはあまり多いとは言えませんが、運動やヨガ、薬物治療などに加えて、マインドフルネスや、認知行動療法による効果があることも報告されております。
認知行動療法とは、カウンセリングなどを通じて、物事の捉え方を変えて(今回で言えば疲労)、そのこととうまく付き合っていく術を学んでいく方法です。
ここで重要なのは、身体の疲れすらも、筋肉などの物理的な消耗としてだけではなく、「疲労感」という「脳現象」として捉えるアプローチが取られていることです。
脳現象と捉えた(認知した)上で、脳疲労対してマインドフルネス(瞑想)や効果的と言われている運動を生活に取り入れることで、慢性的な疲労を解消することができるというわけなのです。

身体の疲れすらも、癒しのメインステージはやはり脳であり、結局は脳と心の状態において多くの健康状態を語ることもできてしまうのです。
もちろん認知を変えることだけが全てではなく。睡眠、運動、食事といった要素が、休息の基盤になることは忘れてはいけませんが。
脳が回復する5つの習慣

最後に、マインドフルネス以外にも脳を回復させてることができることについて5つ挙げさせていただきました。
運動習慣と適切な食事については、いうまでもなく大事で基本的な基盤となる分となります。
こちらは別記事にてご紹介予定ですのでお楽しみに。
①オン・オフの切り替えの儀式をもつ
→特定の音楽を聴く、シャワーを浴びるなど。
脳はふたつのことを同時にできない。仕事モードと休息モードをはっきりさせましょう。
②自然に触れる
→人を超えたスケールの非人工物に触れることで、日常・仕事モードからの解放を促進できます。
③美に触れる
→美しいという感覚は、脳の報酬系・前頭葉などへの作用すると言われています。
④没頭できるものを持つ
→好きなことに集中すると、報酬系が刺激されます。
⑤故郷を訪れる
→育った場所には安心があるためです。
終わりに
最後までありがとうございました。
脳機能は、いい方にも悪い方にも変化をさせることができると言われています。自分の身体の声に耳を傾けず、がむしゃらに頑張っているだけでは、身体も脳も、その果てには心もボロボロになってしまいます。
マインドフルネスは継続して行うことで、一時的なリラックス効果のみでなく、この脳機能や心そのものを強くしなやかにすることができます。何か辛いことがあった時にすぐ立ち直れるよう、今のうちから心をトレーニングしておくのはいかがでしょか。
この世の中は、皆さん非常に忙しくしている印象です。 漠然と心や身体、そして魂までもを削られていくのではなく、『日々メンテナンスをしながら自分が本当に進みたい方向に向かっていっていること』が良い人生なのではないかと私は考えます。 その中で目標に向かって努力をしてもいいし、しなくてもいいし、とにかく自分の心の声をきちんと聞いて、穏やかに日々を過ごすことができればいいなと願います。
私自身もまだまだこれからですが、上段の願いを皆さまと共に叶えられるように、良いものの情報発信を取り組んでまいりますので、ぜひブックマークやSNSのフォローを頂けますと幸いです。
皆様の暮らしが長閑になることを願って。りゅうたろう




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