「この先にはきっといいことがある」。そう思って進む人に運は味方する。ゲッターズ飯田
みなさまこんにちはりゅうたろうです。
前回の記事では、「運動がもたらすメリット4選」を挙げさせていただきましたが、その中にもあった「うつ病の予防や治療となる」といった部分を深掘りした記事を書かせていただきました。
運動がどうして“うつ病”に効くのかといったメカニズムから、実際にどのような運動をどれくらいしたらいいのかという具体的なところも含めてまとめさせていただきましたので、
うつ病と向き合っている方、うつ病に対する予防に興味のある方、実際に憂鬱な気分が抜けない方の力となれれば幸いです。
・うつ病とはどんなものなのか
・私たちの感情を動かす脳内物質の存在
・運動をすることで気分が改善するメカニズム
うつ病とはどんなものか

誰でも、時には気持ちがふさいでしまう時はあると思います。
しかし、この状態が何週間も続き、将来のことも含めて悲観的になり、普段なら楽しめるようなことも楽しめなくなったのであれば“うつ病”の可能性は高いと言われています。
厚生労働省の示すところでは、下記の定義がされておりますが、
「脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減ってしまう病気だと考えられています。これらの神経伝達物質は精神を安定させたり、やる気を起こさせたりするものなので、減少すると無気力で憂うつな状態になってしまいます。」
厚生労働省 こころもメンテしよう〜若者を支えるメンタルヘルスサイト〜 より
“うつ病”の症状は、人それぞれで、極度の疲労感で朝起きられなくなる人もいれば、不安でたまらず、夜眠れなくなる人もいます。食欲が落ちて痩せる人もいれば、いくら食べても満足感が得られず、急激に太るような人もいます。
今は、“うつ病”の治療に「薬」が効果的であるというのは一般に知られているかもしれませんが、「運動」でも同様の効果を得られというのはあまり知られていないところかもしれません。
「運動」は副作用の一切ない薬なのです!
少しだけ気持ちが滅入っている人でも、不快や苦悩を抱えている人でも、たいていは「運動」をすれば気分が晴れやかになれるものなのです。
今回は、その理由を掘り下げていきましょう!
感情に影響を及ぼす「神経伝達物質」

まず、「運動」が“うつ病”に効果があるかを知るためには、私たちの感情を制御している脳内物質について知る必要があります。
先ほどの、厚生労働省の定義にもあったように、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどは「神経伝達物質」と呼ばれる脳内の物質で、それぞれが私たちの感情に影響を及ぼしています。
“うつ病”はこの3つの神経伝達物質が欠乏することと密接に関わっていると考えられ、抗うつ剤による薬物療法の多くは、これらを増やすためのものとなっております。
セロトニン:興奮した細胞を鎮めて脳全体の活動を抑制し、悩みや不安を和らげます。心を落ち着かせ、冷静な判断や強い精神力をも促します。
ノルアドレナリン:やる気や注意深さ、集中力を促します。これが足りないと疲労を覚えたり気持ちが滅入ったりします。
ドーパミン:脳の報酬系で中心的な役割を果たしています。意欲や活力を促す作用があり、集中力や意思決定能力にも関わります。
最強の脳内物質「BDNF」

運動により「別の何か」が生まれる
「抗うつ剤(薬)」の服用や「運動」を行うことで、たいていは脳内のセロトニンやドーパミンの濃度はすぐに上がりますが、“うつ病”の症状が改善されるまでには数週間かかると言われています。
セロトニンやドーパミンが私たちの感情に深く関わっているのであれば、その効果はすぐに実感できるはずですが、実はそうではないのです。
「投薬」であろうと「運動」であろうと、この二つの物質が増えることは、脳内で「別の何か」が生まれる現象の第一歩でしかないのです。
そして、“うつ病”の症状を最終的に取り除いてくれるものは、この「別の何か」と言われているのです。
その「別の何か」は、「BDNF(脳由来神経栄養因子)」と呼ばれ、
これこそが脳内最強とも呼ばれる脳内物質なのです!
BDNFの役割
BDNFは、脳細胞が他の物質によって傷ついたり死んだりしないように「保護」をしてくれています。
通常なら、酸素やブドウ糖を取り込めなかったり、有害な物質の攻撃を受けたりすると、脳細胞が損傷するか壊死してしまいますが、その前にBDNFを受け取っていれば、そういった損害を避けられるそうです。(脳は、たとえば脳卒中や頭部を強打するなどして損傷を受けるなどすると、自らを守るためにBDNFを放出するとも言われています)
BDNFは、体内で、細菌やウイルスと戦う免疫や白血球などと同様の働きをする、脳の損害を最小限に抑えるための、いわば救助隊なのです!
さらに、BDNFの仕事はそれだけではありません。
・新たに生まれた細胞を助け、初期段階にある細胞の生存や成長を促す役目
・脳の細胞間のつながりを強化し、学習や記憶力を高めている
・脳の可塑性を促して、細胞の老化を遅らせる働きもしている
大人でも、子供でも、高齢者でも、BDNFは脳の健康にとって欠かせない物質なのです。
BDNFとうつ病の関係
さて、そんなBDNFが“うつ病”とどのように関係しているのか?
“うつ病”を患っている人は、BDNFの分泌量が低く、実際に自殺をした人の脳を調べるとBDNFの値が低かったということが調べられています。
“うつ病”の人が抗うつ剤を服用すると、BDNFの濃度は上がり、うつ状態から回復して神経状態が安定するにつれ、BDNFが自然に作られる量が増えてききます。
BDNFの値は、単に“うつ病”と関わっているだけでなく、私たちの人格形成も影響を及ぼしていて、実際に、神経症の患者はBDNFの値が低い傾向にあると言われていたりもします。
BDNFと運動の関係

さて、いったいどうすれば、この奇跡の物質を増やすことができるのか?
錠剤にして飲めばいい?
→残念ながら、口から入れても胃酸で溶けてしまいます。
血管に注射をする?
→血液脳関門という脳のバリアを通過することはできません。
頭蓋骨にドリルで穴を開けて、そこから脳に注入する?
→理論的には可能だが、実際に行うには無理がある。
周りくどくなってしまいました、ここで登場するのがお待ちかねの「運動」なのです!
BDNFを生成を促すのに、「運動」ほど効果的なものはないといっても過言ではありません。
運動でBDNFは少しずつ増える!
心拍数がある段階まで増えると、BDNFが大量に生成されます。
また、定期的に「運動」をすれば、その度にBDNFの生成量も増えていくそうです。
例えば週に2回、30分ランニングをするとしましょう。(長時間続けたり、早く走ったりする必要はありません)ランニングを1回するごとに、BDNFの生成量は少しずつ増えます。いったん増えたBDNFの値はすぐには下がらず、2週間ほど経ってからやっと下がり始めます。
BDNFを増やすことに限ってはいえば、1日も休まずに運動をしなくてもいいというわけです。
運動の習慣作りをするためのポイントはぜひこちらをご参考に
どんな運動がいいのか?
BDNFを増やせる活動は、有酸素運動です。
筋力トレーニングでは、同じ効果は得られないと言われています。
BDNFを大量に増やしたければ、定期的に活発に身体を動かすことが好ましく、有酸素運動のうちでも特に「インターバル・トレーニング」が適しています。
インターバル・トレーニングとは、「60秒激しく動いて、60秒休む」をワンセットとして、それを10回繰り返すようなトレーニングで、怪我のリスクを考えればランニングより、サイクリング(フィットネスバイクなど)がおすすめです。
※ズイフトの紹介???
もっとも肝心なのは「心拍数」を増やすことで、毎回そこまで運動量を上げられなければ、インターバルトレーニングを取り入れるのは時々でも問題はありません。
BDNFは脳の縮小も抑える

残念なことに、「うつ病になると、脳は少しずつ縮んでいく」と言われています。
とわ言いましたが、実のところ、すべての人の脳は少しずつ縮んでいるのです。
(25歳ごろから、1年で0.5%ずつ小さくなっている)
ですが、うつ病になるとそのスピードが加速してしまうということです。
これは、脳に新しい細胞が生まれないことに関係しているとのことで、現代の科学では、脳の細胞は成人してからでも増えることがわかっていますが、“うつ病”になると、細胞の新生が阻害されてしまうそうなのです。
ある科学者たちが唱える最新の説によれば、
「“うつ病”は脳細胞が充分に作られないために引き起こされる」
「うつ病のせいで脳細胞が作られなくなるのではなく、脳細胞が作られないために意欲の低下が引き起こされる」とも言われているのです。
もし、脳細胞の新生が“うつ病”に関係しているのなら、抗うつ剤によって脳細胞の新生を促せば、うつ病が治るということになります。
そして、脳細胞の新生を促せるものは、抗うつ剤のみではなく、前述の通り「運動」によっても細胞の新生を促すことができるのです。
というより、「運動」ほど脳細胞の新生を促せるものはないといっていいでしょう。
では、何が脳細胞の新生を促すのか?
それはご存知の通り「BDNF」です!
「運動」することで、「BDNF」が脳細胞新生を促して数多くのメリットがもたらされてゆくのです。
終わりに
最後までありがとうございました。
いかがでしたでしょうか、脳内最強の物質であるBDNF。
脳の成長や感情を司る神経伝達物質の分泌を促し、感情を取り戻すのに一役を買ってくれます。
そして、「運動」は自分の力によって行動を起こし、病気と戦ったという自身にもなります。
逆を言うと、初めの1歩を踏み出すのは、体力的にも気力的にも大変なことはあるかもしれません、そんな時は初めから目標の高い運動量を目指すのではなく、数分のウォーキングから初めて見ましょう。また、家族や仲間と一緒にやることもオススメです。
人間の体は、一度初めてしまえば徐々に成長をしてくるものです!
やる前から諦めずに、試しにやってみるくらいの感覚で取り入れてみてはいかがでしょうか。
この世の中は、皆さん非常に忙しくしている印象です。 漠然と心や身体、そして魂までもを削られていくのではなく、『日々メンテナンスをしながら自分が本当に進みたい方向に向かっていっていること』が良い人生なのではないかと私は考えます。 その中で目標に向かって努力をしてもいいし、しなくてもいいし、とにかく自分の心の声をきちんと聞いて、穏やかに日々を過ごすことができればいいなと願います。
私自身もまだまだこれからですが、上段の願いを皆さまと共に叶えられるように、良いものの情報発信を取り組んでまいりますので、ぜひブックマークやSNSのフォローを頂けますと幸いです。
皆様の暮らしが長閑になることを願って。りゅうたろう




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